ジャンプ42/標的209「リングの炎」
すべてが焼き尽くされた跡地で、辛うじて機能のいきていたジンジャーの通信機から入江氏の声が聞こえます。
その通信機を拾い上げ、話しかけたのは、未だハイパーモードのツナ。ツナは通信機越しに入江氏に、過去からこの時代に自分達を連れてきたのはお前の仕業だろう、と言います。
そして入江の居場所、研究所と丸い装置の在処を問い質す。…けれども通信機がもたずに壊れてしまい、そこで通信は途絶えてしまいました。

何一つ情報を得られなかったツナさま。むしろ狙いを敵に教えてしまっただけ。(おぉい!もうちょい慎重にね、ツナさま!/まぁ駆け引きは不得手だよね、所詮ツナだし)
でも、ようやく得られたキーパーソンとの接触に問い質してしまうのもしょうがないですよね。
だって、ハイパーモードのツナは冷静そうにみえるけど、内なる意志によって超直感が冴え渡ってる状態なだけで、結局これも等身大の14歳の沢田綱吉に代わりはなくて、未来を変えたい、過去に帰りたいと焦る気持ちはツナのままおんなじだろうから。

一方ツナの言葉に青ざめる入江氏。何故ボンゴレが知っているのかと愕然としている彼に、しかしあくまでも冷静に指示を仰ぐ側近のマスクガール。
その態度に入江氏も冷静さを取り戻したのか、ボンゴレのマークを指示し、研究室は心配無用と言います。
研究室はボンゴレ最強の守護者・雲雀氏と渡り合った幻騎士が守っているのだから、(そしてそのボンゴレ最強の雲雀氏は既に十年前と入れ替わってしまった今)ボンゴレ側にはもう幻騎士に勝てる者などいない、とモニターに映る匣実験場の様子を見上げるのでした。

前回、幻騎士に吹き飛ばされ鼻血出しつつムッス〜としていた雲雀さん。
立ち上がると彼は開口一番、「柄で倒そうなんて、ずいぶんふざけてるね」と言います。
それほどダメージのないその様子に、内心驚く幻騎士…先程の攻撃は炎を込めた頭蓋を割るつもりで繰り出した攻撃だったのに生身で防げるなんて、と。
そこでリングの炎を使ったのではないかと考えますが、しかし十年前ではリングの炎のことは今ほど知られていないはず…それでも一応、雲雀にこの時代の戦い方や匣を知っているか尋ねてみるものの、予想通り何も知らない雲雀の態度に、幻騎士はその可能性を打ち消しました。

幻覚をつかい、雲雀に今の状況を『姿の見えない数百の誘導弾に狙われているようなもの』だと教え、今のお前ではそれを退けることはできないと言ってそのまま攻撃を仕掛ける幻騎士。
よく状況を理解しないまま、それでも攻撃されていることを察した雲雀が、しかし見えない攻撃に身構えた姿勢のまま中空を見つめ…攻撃が雲雀を襲う!
だがしかし、そう思われた直前に雲雀の周囲をC.A.Iのバリアが囲み、雲雀を守りました!
「へ…借りは返したぜ…」
驚き幻騎士が振り返ったその先には、大怪我をした獄寺と、その彼と了平に肩を貸し子供達を背負った草壁、クロームとムクロウ…という残りのボンゴレ一行の姿が。
「恭さん!!!」と叫ぶ草壁氏に目をみはった雲雀は、しかし次の瞬間何故か再びムッス〜。
ぼろぼろのボンゴレの仲間達、過去と入れ替わっている上司の姿、その対峙している相手…草壁氏が素早く状況を整理し、最悪の展開に戦慄していると、雲雀がフルネームを呼び…
「いつ群れていいといった?」
「君には風紀委員を退会してもらう」


言われた科白に草壁さんガーン!
それがムッス〜の理由ですか雲雀さん!(爆笑)
一に群れるな、二に風紀。幻騎士への校則違反といい、マイペース過ぎます委員長。(でも、もしここに居たのが十年後の恭さんでも、草壁さんに真っ先に言う言葉はきっと「群れすぎ」という文句だったと思われます。哀れ草壁氏。)

しかし、ショックでも今はそれどころではないと、雲雀にリングの炎と匣を使えと助言する草壁氏。過去の雲雀がこの時代の戦い方を知らずともそれに賭けるしかないと、僅かな可能性に賭ける草壁氏。
リングの炎と聞いた雲雀は「跳ね馬みたいな口振りがイラつくな」と呟き、そして、
「あの男もこれからの戦いに重要になるのはリングの炎だとうるさくてね」
そう言った彼の手元で雲のボンゴレリングは輝き、次いで盛大に雲の炎が吹き出しました。
幻騎士達が驚愕するなか、ただ一人雲雀だけが普段通りの鋭い瞳でそこにいるのでした。

いとも簡単にリングに炎を灯してみせた雲雀さん。十年前の世界でディーノさんからリングの炎云々言われていたらしい…すでにあちらで修行済み??
とりあえず雲雀さんが指にリング嵌めてたのは、ディーノさんからリングの炎について話を聞くなり修行するなりしていたからみたい?
幻騎士の科白から十年前の段階で一部のマフィアはリングの力を知りはじめていたのだと解釈できますから、ディーノさんはその“一部のマフィア”の一人であり、入れ替わる前に雲雀さんにそのことを話していたんでしょうか?
…ていうか、だとするとむしろリングの力の発見って、やっぱりボンゴレリング争奪戦のことだと思うんですが。
あのXANXUSとの戦いのあらましはきっとボンゴレとその同盟ファミリーの間で報告しなければならなかったでしょうし(ツナを十代目に推すためにも)、そうしたらその報告の中でリングが発した炎の話も出たんじゃないかと。
それをきっかけに十年前のマフィア業界でリングの研究がはじまりだして…それが巡りめぐってこの十年後の時代に繋がっていく…とか。実際本当のところはどうなんでしょうね?