―――…ねぇ、ボンゴレ。

彼と貴方はちっとも似ていませんね。

あのひとは常に笑顔でそれゆえ腹の内で何を考えているのだかわかったものでは無かったし、いつだって全てを知り尽くしているかのようでした。
そして、他人にも自分にも、どこまでも自由を許したひと。

多くの者があのひとのそんな姿に惹かれ、こぞってその下に集ったけれど。

『ぼく』はあのひとの元を去っていった。
勝手にしたいことをして勝手に周囲を引きずり込んで――そんなひとだから、きっといつか勝手に去っていくだろうと思った。(だから、捨てられる前に先に捨てた)



あんな優しく残酷な笑顔のひとには、もう何度世界を巡ったって出会わないと思う。

(誰もを包み込む優しさと、簡単に手放す残酷さと。)