秋も深まるある日のこと。
パタパタ、パタタ…
黄色のまるいシルエットが鮮やかな空の青色の中を横切っていく。



きいろ×トリ×あまいもののお話



ぴ!ボク、ヒバード。
まんまるふわふわのボディが愛らしい、人語も解せちゃう賢いハイパーな小鳥だよ!
ほんとは、前は違う名前で呼ばれてたけど、いまはみんなヒバードって呼ぶ。
ボクもこのナマエ、けっこう気にいってるんだ。

――パタタタ…

…現在ナワバリをミマワリちゅう!
今日はいつもよりそーそくどーぶつ(※草食動物と言いたいらしい)の群れが騒がしい日なんだってヒバリが言ってた。
だから、忙しそうなヒバリのかわりに、今日はボクもナミモリのふーきをミマワリするの!
…あ、ヒバリっていうのは、カミコロス!のナマエ。
ボクにお歌をおしえてくれたんだ!ミ〜ドーリ、タナービク〜ナーミーモーリーノ〜♪…へへ、じょうずでしょ!
ヒバリはナミモリのふーきいいんちょ?なんだって。
いつもひとりぼっちでかわいそーだから、しょうがないけどボクのお世話をさせてあげてるんだ。…ゴハンもおいしいし。(※どうやらこっちが本音)

パタパタ、パタパタ。いっしょーけんめー羽を動かして飛ぶの。
…ふぅ〜、見た目よりけっこう疲れるんだよね、これ。
風に乗れればらくちんなんだけど、あいにく今日はあんまりいい風もないし…

――――びゅうぅぅぅぅうぅっ

ぴよっ?!ウワワワワ〜ッ
…そんなこと言ってたら、突然ヨコから吹いてきた風に飛ばされちゃった。
ぴゃ〜っ!めがまわる〜〜っ!!

――ぽてっ

な、なんとか着地せーこう…(ふぅ) んーと…ココどこ…?

「つーなー!ランボさんにお菓子よこすんだもんね!」

…ぴ?…あ、アレは――

「うはははは〜!見ろツナ!今日のランボさんはホータイ牛お化けだじょ〜!!」
「おかえり〜!ツナにぃ〜!」
「ツナさん!◎☆帰$□@!」
「ただいま。ふたりとも」

白いのでぐるぐるになったモジャモジャと、黒い布をひらひらさせたおとこのこ、ぴらってしたのをつけたまるいの。それから、ヒバリが言ってたつんつん頭のそーそくどーぶつのヒト。

「「「Trick or treat!」」」
「はい、ハッピーハロウィン!」
「ヘッヘ〜ン!やったもんね!み〜んなランボさんのものだじょ!」
「あっ! コラッ!ランボ!!」
「へ〜んだ!ダメツナになんかつかまんないもんね〜!」

知ってるヒトたちだったからちょっと見ててたら、モジャモジャしたのがヘンなこと言ってそーそくどーぶつのヒトから何かもらってこっちに来た。
モジャモジャが持ってるのから甘い匂いがするの。ちょっと気になる。
…んーと、trick or treat…?っていうとアレもらっていいみたい?
…おもしろそう!ボクもやってみよう!

「Pi…t, trick or treat!!」

よし、ちゃんと言えた!もらってこう!
そう思ってモジャモジャの持ってる包みをくわえたら、モジャモジャが突然うるさくなった。
「ぐぴゃあ!」って叫び声にビックリしてぱたぱた急いで逃げる。
そのままあんぜんなところまで急いで帰って来たの。
フゥ…ビックリした。疲れたからはねやすめ。

くわえてた甘い匂いのがぽとりと落ちる。

そーだった!コレ!…なんだろう?
ちょこちょこと周りを回って観察…危なくはなさそう。
足でえいってしたらびりびりってなって、甘い匂いがもっといっぱいになった。
びりびりの中には、ボクとおんなじ色のふわふわしたのがあってコレが甘い匂いのショータイみたい。…ふんふんふん…おいしそう。
…ちょーっと、ほんのちょこっとなら大丈夫だよね?
そうおもって食べてみる。

……………………………〜〜〜!!あま〜い!

がつがつがつがつっ
…気がついたらいっぱい食べちゃってた。



しばらくしてヒバリが帰ってきて、「机の上が汚なくなった」って怒られた。
…しょーがないから、残ってた甘いのを1個分けてあげた。わいろってやつ。
…なのにヒバリは許してくれなかった。しょぼん。

…でも、ちょっとムカついたから、ヒバリにはもうお世話させてやらないことにした。
クサカベっていうからしかゴハンをもらわないようにしたの。
………ゴハンもおいしいけど、ちょっとあの甘いのもまた食べたいなぁ。

そうおもってたら、それからまたしばらくして、ヒバリがあのときとおんなじ甘い匂いのを持ってきてくれた。
…ちょっと味がちがったけど、やっぱりあま〜くておいしい!

ヒバリはなんにも言わなかったけど、しょーがないから、コレでヒバリを許してあげた。ボクってば、やさしー。
ぎりっぎりだけど HAPPY HALLOWEEN !
「たまご色のしあわせ」こうじゅ様へこっそり捧げます!