姿の見えないきみ。いつもそばにいたのにどこへいってしまったの。


人はオレを立派なボスだと讃えるけれど。
…ほんとのオレはいつだって不安で、独り迷路の真ん中に突っ立っている情けないヤツなんだ。
そんなオレを助けてくれたのはいつだってリボーンだった。
リボーンはいつも傍若無人で無茶苦茶なことばかり言うしやるし要求するけど、同時に途方にくれてるオレに道を示してくれるのもあいつで。

リボーンがそばに居たからオレはここまで来れた。
いつもそばに居てくれたから、だからいつの間にか、それは当たり前になってしまっていた。


  *****


どうしよう。どうするべきか。どうすればいいの。
そんなふうに悩むとき、

「…リボーン」

いま彼はいない。その事を理解していて尚、虚空に向けて呼び掛けてしまう。

『ダメツナめ 情けねぇぞ!』

名を呼べばいまにもそんな声が飛んでくる気がして。
(けれど現実にはそんなことは起こらないと知っている、…しってるのに)

「……ほんと、オレってばダメツナだよ」



オレは今でもやっぱりダメツナで、結局ここ一番てところで失態をしちゃうし。みんなに助けられてばかりで余計な手間掛けさせてばかりで。

ダメツナだから、
…だから、
―――おまえがそばにいなきゃ

、なぁリボーン

瞼を閉じれば君の幻影